歌会報告
○松山 12・1、開花亭、8名、塩野
近山の錦に染まるその中に静かに燃ゆる大銀杏あり 栗林 京子
雨ごとにいてふ黄葉(もみじ)の色まして風の間に間にちらばふ落葉 門田さかえ
○もえぎ 12・5、日本倶楽部、18名、吉森
堀割に垂るる柳の枝先をかすめ棹さす老いの川舟 小笠原 嗣朗
混み合へる部屋に僅かの席保ち新蕎麦を食す門前の茶屋 高橋 盛雄
○久佐乃葉 12・5、ライトハウス、8名、福田
賜りし友手作りの栗赤飯色良く味良し祭の夕餉 米光 良子
うち響く湯の音ひたひた久々に山の出で湯に命温む 馬場 康子
○秋月 12・6、秋月公民館、5名、篠原
ポスターのみ眺めてゐたる阿修羅展思ひがけなく現に見るとは 才田 和枝
人の波あふるる館内押されゆき正面に浮かぶ阿修羅に息のむ 田中 悌子
○有楽 12・7、日本倶楽部、14名、栗崎
末枯れたる水引草に点々と残んの花の小さきくれなゐ 田中 国子
慕はしき賓頭慮和尚鎮座して慈愛の笑みもて吾を迎ふる 加藤木 梢
○五條 12・10、中央公民館、5名、福本
雲間より浅き夕月朱色に真土の山はのどかに暮るる 小池 光子
○若葉 12・10、日本倶楽部、12名、福嶋
卒寿なる比庵の書になるいろはうた長き紙面を自在に踊る 福嶋 等
忠敬の実測地図にたちきたる荒き波音焚火のにほひ 青木 房枝
○江南 12・12、扶桑福祉会館、22名、松井
散りのこる桜のもみぢ葉陽に透きてそのくれなゐの滴るばかり 栗田かず子
「もういい」と言葉投げ捨て夫黙す耳遠くなりし吾に苛立ち 橋本 孝子
○奈良 12・13、社会福祉センター、17名、川合
眉ひそめ見据ゑたまへる阿修羅像にみ堂は奇しき霊気だだよふ 橋本佳世子
よろよろと小春日和の径を這ふ蜂のゆくヘを想ふ黄昏 西岡美江子
○東京 12・14、鳥山区民会館、14名、墨
吾が町の新鮮野菜の瑞々し色美しくして歯触りもよし 菰田 道代
初活けの梅の古木にきらきらと朝露ひかる新しき年 田所 和代
○あゆち 12・14、布袋北部学供、15名、細川
六十路過ぎ夢叶ひ立つナイアガラ霧の乙女号より滝つぼ覗く 安藤 幸子
夫逝きて忌明けの過ぎしこの我に老人クラブの案内舞ひ込む 杉本 信子
○京都 12・16、北文化会館、‥‥11名、大石
さあどうする仕分けの利かぬ普天間基地苛立ちの中クリスマス迫る 福田 慎吾
寒風にすぐき漬け込む農夫はも八十路なれども生き生きはげむ 荒木 正治
○大阪 12・20、アウィーナ大阪、14名、松井
もの忘れひどくなりたり次々にかき消ゆるごと物失せゆきて 久米 健寿
もみぢ散る大原の里の石仏の笑まひにつられ吾も微笑む 向 登志子
新人研修報告 重信 二郎
第一回11月2日、第二回12月4日、日本倶楽部にて。参加者は両日とも23名。
「初めて歌を詠まれる方のために」と題して『短歌人門』などを参考に大津留先生の講義。
万葉集の解説と鑑賞を高橋盛雄さんが、つづいて実朝、松陰、子規、比露思、光雄の歌について
大津留先生の解説があった。
「かわい過ぎてドキドキしたよ」と言うを聞き出産率の増加期待す 本田 素子
朝日射し自然に目覚むる幸せよあとから慌てて時計が騒ぐ 小暮 萌
金木犀逢魔が時ににおいたつすがたは見えずひと惑ひ行く 岡咲 龍昌