平成19年あけび全国大会 (古屋 和利 記)
平成19年度のあけび全国大会は、10月21日13時より
束京学士会館において開催された。大会次第は次のとおり。
開会 (司会) 墨林衛、田所和代
開会の挨拶 大津留 温
特別講話 コスモス選者 小島ゆかり
大会詠・あけび賞選考経過発表 大津留 温
大会詠講評 各選者
入賞・入選者表彰
懇親会 (司会)細野宜昭、吉森康代
開会の挨拶 大津留 温
皆さんよくいらっしゃいました。一年ぶりで皆さんのお元気な
お顔を拝見でき、うれしく思います。
日頃誌上ではお名前を存じ上げているがまだお目にかかってい
ない方、去年の大会以来の久しぶりの方、会員相互の友情を高め
ていただくことがこの会の目的の一つです。
また今回出詠していただいた歌についてはもれなく選者の先生
方に講評していただきます。さらに、本日の特別講師の小島先生
のお話を伺って、作歌に対する情熱をますます高くしてお帰りに
なっていただく、これが第二の目的です。この二つの目的が達成
されれば今日の大会は大成功だった、と言えます。
小島ゆかり先生はいま歌壇でもっともお忙しい方で、各講演会
などでご活躍されております。先生は「コスモス」の選者で、ご
存知のようにコスモスは宮柊一。先生のお始めになった結社です。
宮先生は北原白秋のお弟子さんで、我々「あけび」の花田先生が
正岡子規を終生の師と仰いだのとはやや系統が違う。
系統は違うけれど、いずれも万葉集に出発した、短歌を心から熱愛
するグループです。むしろ違った観点からのお話を伺うことは我々
にとって大いに勉強になります。
あけびは兎角正岡子規一辺倒、井の中の蛙と言われる。教えをま
っしぐらに守っていくこともいいが、同時に他の立場からの詠い方
を学ぶことも必要だと思います。その意味で、今日は大変よい先生
から有益なお話を伺えると思います。
先般、中村浩理先生がお亡くなりになりました。博多から太宰府
への吟行の際には熱のこもった説明をされていましたが、大変惜し
い方を亡くしました。皆様も体に気をつけていつまでも歌が詠える
ようお願いしたい。
なお、今年正月の歌会始に私が召人としてお招きいただいた際に
はあけびの皆様からお祝いの言葉や歌を頂戴し、恐縮しております。
お礼を申し上げます。
大会詠及びあけび賞の選考経過・結果発表 大津留 温
あけび賞
今年のあけび賞は以下のとおりです。今年の応募作品は28本で
昨年の35本に比ベやや少ない。しかし、作品はいい出来でした。
あけび賞の大津留直さんの「ドイツ秋色」はドイツを再訪したとき
のもので、私は辛い点数をつけたが、他の先生方がいい点数を付け
てトップとなりました。佳作は普通、2編か3編ですが、吉井、
上村、篠田各氏の作品が同点だったので4編となりました。
これらの作品は選者の先生方の鑑賞文を付けてあけび十一月号から
順次発表されます。
あけび賞 ドイツ秋色 大津留 直
佳作 高原に心癒され 松井 丈子
妻よ 吉井 泰
美ら海へ 上村 光
古都折々 篠田 政夫
奨励賞 古屋和利 高橋盛雄、杉岡 浩、田所和代
努力賞 向 登志子、柘植恵介、松井正樹
大会詠「鳥」
今回の「鳥」は具体的な鳥の名前でも可ということにしたので作り
易かったのか全般的によくまとまっていい歌が並びました。選者の先
生方による点数も接近している、僅かな点差に多くの作がひしめいて
いる有様。佳作と一般も差はほとんどない。
人選作はさすがによい作品で点が集まった。浦畑さんは昨年も受賞さ
れましたが、大変いい歌です。普通、気がつかないところを詠った、
豊富な歌心を感じる。
第二席の田所さんの作も青木さんのも「鳥」を特殊な捉え方で巧みに
詠み込んだものです。第三席の歌になると次の佳作の作品と1点か2
点の差になるが、それだけ優れている、以上です.
入選 第一席
舞ひあがる鶴を織りなす白無垢に孫晴れの日の身を包みたり 浦畑淳子
入選 第二席
山鳩の声のくぐもり間をおきて読経ながるる御堂の中に 田所和代
みひつぎへ納めし鳥類図鑑手に自在にあらむ君の探鳥 青木房枝
入選 第三席
ほうほうと嗚く鳩の音に亡母顕ちぬ戦地の父を待ち詫びましし 松井正樹
翻るすべも覚えし子つばめの飛び交ふ夕べ川面はなやぐ 森本弘恵
高みより獲物をねらふオホタカのまなこの朱をレンズに見惚る 丹羽信夫
今後も、あけび歌会のホームページをご覧下さい。